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 2004/08/21 インタビュアー:豊川 大



アメリカンに乗るバイカーにとって、ハーレーダビッドソンは特別な存在だ。IRC国内営業部の北村氏にとっても、それは同じこと。12年前に、その憧 れのハーレーを手に入れた。以来、休日には美しい鉄の馬にまたがり、よくツーリングに出かけるそうだ。タイヤを見ると[WF-920]のクールなファイ アパターン。
「実は私も、コイツには一枚噛んでいるんですよ」と、北村氏は少し照れくさそうに笑った──。

 10年前、1本のタイヤが世に出た。それが[WF-920]の前モデル[WF-910]だ。このタイヤの生みの親のひとりが、他でもない北村氏なので ある。ある日、ハーレーユーザーとしてこんなタイヤがあったら、という思いを会議で提案してみた。ハーレーといえばアレン・ネス*1。アレン・ネスといえばフレアーパターンという見た目重視のストレートな発想から、タイヤに炎のパターンはできないか、と。スケッチを描いて会議にのぞんだが、結果は…。

「全く相手にされませんでしたね(笑)。カッコイイけど絵空事だって」。

当時はもちろん、現在でもファイアパターンのタイヤなど皆無に等しい状態。売れるか売れないか分からないものに、企業としてはゴーサインを出すわけにはいかない。「でも、スケッチを見た設計士がオモシロイってことで、ひとり突っ 走って金型まで作っちゃったんですよ」。で、そこからはアレよアレよという間に話が進み、製品化にまでこぎ着けたという。「ある意味、おおらかな時代だったんでしょうね」と氏は懐かしそうに目を細める。

 その後、[WF-910]をさらに進化させたモデル[WF-920]が登場。ワイルドさはそのままに、細かくサイプを加えたり、コンパウンドの配合を 変えたりして、より一般ユーザーにも受け入れやすいタイヤとして機能性を充実させた。サイズバリエーションも増え、アメリカンだけでなくFTRなどのトラッカーにも装着することも可能となった。「IRCのタイヤは毎日進化しています。さまざまなテストを繰り返し、データを取り、それをまた製品に反映す る。それの繰り返しがユーザーのニーズに応える近道ですから」。北村氏によると、今年また新たな動きが[WF-920]の周辺で展開されるらしい。おそ らくマイナーチェンジはあるものの、ファイアパターンは受け継がれるだろう?
“進化する炎──”。それを支えるため、北村氏は今日も「残業ですよ…(苦笑)」。
*1
マニアからはゴッドとも称されるハーレーカスタムのトップビルダー。ハーレーをベースに世界でたった1台のカスタムバイクを世に送り続けている。

初代「WildFlare」マーク。タイヤのサイドにも入っている。

2代目「WildFlare」マーク。よりワイルドな炎パターンになった。

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